カスタマージャーニーマップとは? 概要や手順のまとめ

カスタマージャーニーマップコンテンツマーケティング

この記事では、注目のWEBマーケティング手法である「カスタマージャーニーマップ」について、わかりやすく解説します。「カスタマージャーニーマップという言葉をよく聞くけど、何のことだかさっぱりわからない」というWEB担当者の方もご安心ください。

この記事では、カスタマージャーニーマップの概要から具体的な手順まで、包括的に説明するので、最低限必要な知識をすぐに身につけることができます。

カスタマージャーニーマップとは

この章では、カスタマージャーニーマップの概要と意味について説明します。

カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map)は、一言でいうと「顧客が購入に至るプロセスを可視化したもの」です。

具体的には、顧客がどのように、商品を認知して、興味をもち、購買に至るのか、その過程を旅(Journey)に例えます。
そして、その旅を顧客の心理・行動を紐解きながら、時系列順に可視化してまとめたモノのことをカスタマージャーニーマップと呼ぶのです。

可視化する際のポイントとしては、図やアイコンなど視覚的な要素を積極的に使用することです。これによって、関係者が共通のイメージを持ちやすくなります。

カスタマージャーニーマップがなぜ必要なのか

この章では、なぜカスタマージャーニーマップが必要なのかについて説明します。

その理由は、従来のマーケティング手法には顧客の行動・心理が時間によって変化する「時系列」という概念が抜け落ちていたため、正確な顧客の分析をすることができないということがわかったからです。

例えば、従来のマーケティング手法の代表格であるペルソナ設定について考えてみましょう。
ペルソナ設定では、年齢・性別など基本的な属性だけでなく、生活習慣や趣味嗜好などの付随する情報を用い、架空の人物を作り上げることで、ターゲットが関係者間で具体的にイメージできるようにしました。
しかし、「時系列」という視点がスッポリ抜けていたため、ターゲットの行動・心理の変化を捉えることが難しくなったのです。

つまり、カメラに興味を持つフェーズとカメラを比較・検討するフェーズの顧客行動・心理は変わりますよねということです。
そのような背景もあり、カスタマージャーニーマップという新しいマーケティング手法が台頭してきたのです。

カスタマージャーニーマップを作るメリット

この章では、カスタマージャーニーマップを作るメリットを3つ挙げ、それぞれの理由について説明します。

顧客の購買行動・心理の複雑化に対応

インターネットやスマートフォンの普及によって、顧客の購買行動・心理は複雑化しています。
カスタマージャーニーマップを使用するメリットの一つは、このような複雑化に対応することができる点です。
なぜなら、カスタマージャーニーマップでは、具体的な顧客像を設定するだけではなく時間経過による変化にも対応するため、顧客一人一人にフォーカスした戦略を立案することができるからです。

顧客視点の理解

マーケティングをする上で、顧客の目線に立つことは、とても重要なことです。
カスタマージャーニーマップを用いることで、顧客視点の理解を促進することができます。
その理由は、カスタマージャーニーマップが、顧客のステージごとに「顧客が望むものとは何か?」について、考えるツールだからです。

チーム間の認識の共有

マーケティングチームの中でも、担当が細分化することで、認識のズレが生じてきてしまうというのは、よくある話です。このチーム間の認識のズレを矯正して、一貫した認識の共有を実現するために、カスタマージャーニーマップは非常に適しています。
その訳は、カスタマージャーニーマップが視覚的なイメージの共有を志向したツールだからです。誰でも、文字で説明されるより図やアイコンなどで視覚的に説明されるほうが、具体的なイメージが湧きますよね? それが、カスタマージャーニーマップの強みです。

カスタマージャーニーマップの作成の流れ

この章では、カスタマージャーニーマップを作成する流れを4つのステップに分けて説明します。

STEP1:ペルソナを設定する

ペルソナを設定して具体的なターゲット像を明確化することは、マーケティングにおける基本です。ここで設定するペルソナが、カスタマージャーニーマップを作る上で、重要になってくるので、仮説を細かく立てて、あたかも実在するような架空の人物像を作り上げましょう。

STEP2:ペルソナの仮説を検証・再設定する

このステップでは、STEP1で設定したペルソナの仮説検証・再設定を行います。
具体的な方法としては、アンケートやヒアリングをすることです。
顧客の生の声を聴くことで、イメージした仮説のズレを発見したり、新たな気づきを得ることができるので、しっかり時間をかけて仮説の検証・再設定を行いましょう。ここで手を抜かないことが、後々のために肝心です。

STEP3:フレームワークを決める

ペルソナ設定が完了したら、カスタマージャーニーマップを作成するために不可欠なフレームワークを決定しましょう。
新しく考え出さなくても、既存の知見を利用すればいいので、まずはわかりやすい以下のようなフレームワークを用いてみましょう。

  • 横軸:「認知」「興味・関心」「比較・検討」「行動」
  • 縦軸:「接触ポイント」「行動」「思考」

ここで、説明が必要なのは、縦軸の「接触ポイント」でしょうか。接触ポイントとは、ユーザが行動する時に触れるメディアやサービスのことです。具体的には、雑誌・検索サイト・SNSなどが考えられます。

STEP4:フレームワークを埋める

使用するフレームワークが決定したら、早速それを埋めて、カスタマージャーニーマップを作成していきましょう。留意すべき点としては、文字だけでなく図や写真など視覚的な要素をなるべく多く組み込むことです。これによって、イメージの共有がしやすくなります。

カスタマージャーニーマップの事例

この章では、カスタマージャーニーマップの事例を3つ紹介します。

事例1:就職活動をする学生(パソナ)

パソナのカスタマージャーニーマップ
『出典元:http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2013/11/27/16409』

上の画像は、株式会社パソナ パソナキャリアカンパニーが新卒採用のためのWebサイトをリニューアルする際に作成したカスタマージャーニーマップです。作成は、5名の学生と2時間に渡ってワークショップ形式で行われました。ワークショップでは、就活活動開始から内定までに学生が行なったことや、その時に考えていたことなどを模造紙にまとめています。カスタマージャーニーマップを作成した結果わかったことは、学生が「入社したい企業について十分な情報を得ることができない」という課題を感じ続けていることでした。これによって、株式会社パソナ パソナキャリアカンパニーが改善すべきポイントが明らかになりました。

事例2:海外旅行者(DC2)

DC2のカスタマージャーニーマップ
『出典元:http://www.d2c-smile.com/201408282941』

上の画像は、株式会社D2Cが海外旅行をテーマに作成したカスタマージャーニーマップです。この事例は、前の章で説明したように、ペルソナ設定→仮説検証という流れをとっています。これによって、まず、一口に海外旅行者といっても、さまざまなタイプがあることがわかります。例えば、ファミリーで旅行をする人、一人で旅行をする人、カップル・夫婦で旅行をする人、学生同士で旅行をする人、親子で旅行をする人、女子旅、男子旅、シニア旅などです。次に、アンケートを行う(仮説検証)ことで、それぞれの顧客(カスタマー)が、「計画前」から「帰国」までのプロセスにおいて、どのような行動をして、どのような意識・関心を持っているか、をマッピングしています。このカスタマージャーニーマップを正しく分析すれば、自ずと次の戦略が思い浮かんでくるでしょう。

事例3:鉄道乗車体験(Rail Europe)

Rail Europeのカスタマージャーニーマップ

上の画像は、鉄道会社であるRail Europeにおける顧客の乗車体験をカスタマージャーニーマップにして可視化した例です。英語で書かれていますが、接触ポイントに図や写真が使用されているなど、一目見て概要を理解することができる内容になっています。横軸も縦軸もわかりやすいようなフレームワークが用いられており、非常に参考になります。このカスタマージャーニーマップを用いることで、それぞれのペルソナの行動・心理を具体的に把握して、戦略に落とし込むことができます。

まとめ

この記事ではここまで、カスタマージャーニーマップについて、さまざまな角度から説明してきました。この記事を読む前は、カスタマージャーニーマップについてよくわからなかった方も、それが、顧客の購買プロセスを可視化する手法であることを認識できたでしょう。フレームワークを使えば、すぐに実用化することができるので、早速、明日からカスタマージャーニーマップを導入してみてはいかがですか? 最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が参考になった方は、シェアしていただけると嬉しいです。

WEBサイトで集客を成功させるには?

今のWEBサイトの状況があまりにも悪い。今の集客だと、自分が目指しているビジネス像とあまりにもかけ離れている。という方は、無理に自分一人で解決しようとする必要はありません。

自分もかつてそうでしたが、成功事例がわかっていない状態でWEB集客を行うことは、よほどセンスのある人間にしか無理です。私も自分一人ではどうにもならなかったので、本業でWEBマーケティングを学び、スキルを身につけることができました。

「このままでは売上が増えない・・・経費が重なる一方だ・・・。新しいお客さんを集めたいけど、自分がやる施策はすべて成果が出ていない・・・」

とお思いであれば、一度WEBコンサルタントに相談してみるのは大アリです。

WEBコンサルタントに相談することで、WEBサイト上の欠点と改善点が明確になり、本来ならやらなくていい苦労から遠ざかれます。

今の状態のまま活路を見いだせず、闇雲に時間とお金を浪費するのは止めて、是非ともWEBコンサルタントに一度相談してみましょう。

WEBコンサルタントへの相談は、こちらのお問い合わせフォームから相談できます。
Masterwood編集部をフォローする
コンテンツマーケティング
スポンサーリンク
Masterwood